【プロが実証解説】Surfsharkとは。料金・評判・安全性を情報セキュリティの専門家が徹底解説

Surfsharkとは。料金・評判・安全性を セキュリティの専門家が実際に使って徹底解説
べるどら
合同会社Now Topic 代表社員・CyberProgress 運営責任者
CyberProgressの運営責任者。合同会社Now Topic 代表社員。2020年からWebメディアの運営を開始し、現在は約10サイトを手掛ける。Webアプリやスマホアプリの開発も行う。サーバーの解説を行うYouTubeチャンネルの総再生回数は6万回を突破。ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、情報処理安全確保支援士試験に合格。

Surfshark(サーフシャーク)は、2018年にサービスを開始したVPN(仮想プライベートネットワーク)だ。

月額300円を切るコストパフォーマンスと、同時接続台数が無制限という強みで、世界的に利用者を急増させてきた。


しかし実際のところ、「安いVPNは安全性が不安」「有名なNordVPNとどう違うのか」「本当にノーログが守られているのか」といった疑問を持つ人は多い。

本記事では、セキュリティ系の国家資格である情報処理安全確保支援士試験に合格し、自らVPNを検証・計測している筆者が、Surfsharkの仕様・安全性・コストパフォーマンスを実際に使ってフラットに評価する。


結論から言えば、Surfsharkはコストを抑えつつ複数デバイスをまとめて保護したいユーザーに対して、現時点で最も合理的な選択肢の一つだ。

一方で、日本語サポートの限界や、自動更新時のコスト増加など、契約前に把握しておくべき注意点も存在する。

詳細は以降で順を追って解説していく。

目次

Surfsharkとは?3分でわかる概要

Surfsharkのロゴ

Surfsharkは、オランダ・アムステルダムに拠点を置くVPNサービスだ。


2018年に創業され、サービス開始からわずか数年で世界40カ国以上でのアプリダウンロード数が4,000万件を突破。

業界トップクラスとなる30以上の様々な賞の受賞歴を持つ、今や業界を代表するVPNの一つに成長した。


VPNとしての基本的な役割は、通信を暗号化してIPアドレスを隠すことで、プライバシーの保護や公衆Wi-Fi利用時のセキュリティ強化を実現することだ。

Surfsharkはそれに加え、広告ブロックや二重暗号化、スプリットトンネリングといった上位機能も標準で備えている。


Surfsharkの強み

Surfsharkが他のVPNと一線を画す点は大きく3つある。


1つ目は同時接続台数の無制限だ。

多くのVPNが3〜10台程度の上限を設けているなか、Surfsharkは1つのアカウントで何台でも同時接続できる。

スマートフォン・PC・タブレットといった個人の複数デバイスはもちろん、家族全員のデバイスを1契約でまとめてカバーできる。


2つ目は価格の安さだ。

2年プランのStarterであれば月額298円と、メジャーなVPNのなかでは最安クラスに位置する。

NordVPNの2年プランが月額470円であることと比較すると、その割安感は明らかだ。


3つ目はセキュリティの透明性だ。

ノーログポリシー(通信履歴を一切保存しないこと)を掲げるVPNは多いが、Surfsharkは四大監査法人である「デロイト社」による第三者監査を2023年・2025年の2度受けており、その信頼性を数字と実績で裏付けている。

この点については後述の安全性セクションで詳しく解説する。


なお、2022年2月にはNordVPNの親会社であるNord Securityと経営統合している。

つまり、NordVPNとSurfsharkは兄弟のような関係性だ。

しかし、両サービスはサーバーインフラを含めて独立して運営されており、ユーザーへの直接的な影響はない。

Surfsharkはこんな人に向いている

Surfsharkは以下のようなユーザーに向いている。

  • 複数のデバイスをすべてを保護したい
  • 他社と比べてできるだけ費用を抑えたい
  • 通信のセキュリティを強化したい
  • 海外在住・渡航が多く、日本のコンテンツにアクセスしたい
  • 広告などをブロックしながら快適にブラウジングしたい


逆に、他社のほうが向いているケースも正直に述べておく。

それは純粋な通信速度を最優先にする場合や、長年の実績・知名度をより重視する場合である。

このような場合、Surfsharkと比べると少々値は張るが、同じグループでもNordVPNの方が現時点では優位性がある。

この点についてもNordVPNとの比較セクションで改めて詳述する。

Surfsharkの3つのプラン。本当にコスパは良いのか?

ここでは料金面を中心に見ていこう。

3つのプラン(Starter / One / One+)の違い

Surfsharkには「Starter」「One」「One+」の3つのプランがある。


いずれのプランでもVPN機能そのものに差はなく、接続速度・サーバー数・同時接続台数はすべて同一だ。

つまり、純粋にVPNとして使うだけであればStarterプランで十分であり、上位プランへの違いはVPN以外のセキュリティ機能の有無にある。


各プランに含まれる機能の差は以下の通りだ。

スクロールできます
機能StarterOneOne+
VPN全機能
CleanWeb
(広告・トラッカー
ブロック)
Alternative ID
(代替メールアドレス
生成)
Surfshark Antivirus
(ウイルス対策)
×
Surfshark Alert
(情報漏洩モニタリング)
×
Surfshark Search
(プライベート
検索エンジン)
×
Incogni
(データブローカーへの
削除依頼)
××

Oneプランに追加される「Antivirus」、つまりウイルス対策機能は、リアルタイムでのウイルス・マルウェア検出とウェブカメラ保護を備える。

「Alert」機能はメールアドレス・パスワード・クレジットカード番号といった個人情報の漏洩を検知して通知するモニタリングツールだ。


One+に追加されるIncogniは、データブローカーと呼ばれる個人情報収集企業のデータベースに対して、ユーザーの代わりに削除依頼を行うサービスだ。

ただし、現時点では日本在住者は対象外(米国・英国・EU・スイス・カナダのみ対応)であるため、日本ユーザーがOne+を選ぶ積極的な理由はほぼない。


この記事を読んでいる読者の9割以上はVPNが目的であると思われるため、最安であるStarterプランを選んで問題ないだろう。

契約期間別の料金と割引率

料金は日本円建てで請求される。

プラン2年プラン
(月額)
1年プラン
(月額)
1ヶ月プラン
Starter298円478円2,398円
One378円518円2,798円
One+598円1,068円3,198円
(※ 2026/04/14時点)

※為替や時期によって変動する場合があるため、契約前に公式サイトで最新料金を確認することを推奨する。


1ヶ月プランは月額2,398円と割高だ。

また、2年プランと1ヶ月プランでは同じStarterでも月額ベースで約8倍の差がある。

短期的に試したい場合は後述の返金保証を活用する方が賢明だ。


また、1年・2年プランにはいずれも3ヶ月分の無料期間が付属する。

つまり2年プランで契約した場合、実際には27ヶ月間利用できる計算になる。


支払い方法はクレジット・デビットカード(Visa・Mastercard・American Express)、PayPal、Apple Pay、Google Pay、暗号資産(ビットコイン、イーサリアム、リップル)に対応している。

JCBは非対応だが、PayPalやApple Pay、GooglePayの仕様を考えると、これらを経由すれば決済できると考えられる。

日本ユーザーが選ぶべきプランはどれか【筆者の見解】

結論から言えば、先ほども書いたように大多数の日本ユーザーにとってStarterプランが最適解だ。


VPN機能に差がない以上、Oneプランへのアップグレードが合理的なのは「ウイルス対策ソフトを別途契約していない、かつSurfshark Antivirusで代替できると判断できる場合」に限られる。

ただし、Surfshark AntivirusはWindowsとmacOSおよびAndroidにのみ対応しており、ノートンなどの単体のセキュリティ対策ソフトと比較すると機能的に見劣りする部分もある。

すでにウイルス対策ソフトを契約済みであれば、Oneへ上げる意味は薄い。


One+については前述の通り、データの削除依頼ができるIncogniが日本で使えない以上、Oneとの月額差を払うメリットは一切ない。


一方で、NordVPNの2年プラン(月額470円〜)と比較すると、Surfshark Starterは月額298円と約170円安い。

年間換算で約2,040円の差になる。

機能面での優劣は別途比較セクションで触れるが、コスト最優先であればSurfshark Starterは現時点でメジャーVPNの中で最安値クラスと断言できる。

自動更新の仕組みと注意点

Surfsharkは契約期間が終了すると、自動的に次の契約が更新される仕組みになっている。

これはサービスの継続性を担保するための仕組みだが、更新時には初回契約時の大幅な割引が適用されず、通常料金に近い金額で請求される点に注意が必要だ。

つまり、2年プランでお得に始めても、更新時には月額が大幅に上がる可能性がある。


ただし、裏ワザ的な方法ではあるが、自動更新を停止し、期限が切れたあとで再度契約し直すことで、初回と同様の料金で利用できるとの情報もある。

筆者の場合は、契約から2年経っていないため未確認であるが、この方法を試してみようと思っている。

万が一ダメでも料金が安い他社サービスに移行すれば大きな問題はないだろう。


自動更新を止めたい場合は、マイページからワンクリックで行えるため、不安な場合は停止するのがベストだ。

なお、更新の30日前にメールで通知が届くため、そのタイミングでの利用状況から判断するのでも良い。


意図せず高額で更新されてしまった場合でも、サポートに連絡すれば全額返金を受けられるとの情報もあるため、万が一の場合でも「救済措置」があるようだ。

ただし、この対応は確実なものではないため、先述したように契約後の自動停止の更新を推奨する。


また、更新後30日以内であれば返金保証が適用される

Surfsharkは全プラン・全契約期間において30日間の返金保証を提供している。

「とりあえず試してみたい」という場合でも、30日以内に申請すれば全額返金されるため、実質リスクなしで試すことができる。

「必要ないから」といった理由でも返金されたケースが多数あるため、返金理由に制限は無いと思われる。


返金手続きはライブチャットまたはメールで行う。

自動翻訳に対応しているため、日本語で連絡しても全く問題ない。

仮に英語であっても、AIが発達した現代ではそれほど大きな障壁にはならないだろう。

Surfsharkの安全性 | ノーログポリシーは信頼できるか?

VPNを選ぶ上で、安全性はコストや速度と並んで最も重要な判断基準だ。

特に「ノーログポリシー」については、どのVPN事業者も「ログを保存しない」と謳っているが、それが本当に守られているかどうかは、第三者による検証がなければ確認のしようがない。


以下では、Surfsharkの安全性を構成する要素を順に解説する。

AES-256暗号化とRAMオンリーサーバー

Surfsharkはデータの暗号化にAES-256を採用している。(「AES-256」というワードを覚える必要はない。)

かんたんに言うと、仮に通信データを傍受されたとしても、その内容を解読することは現実的に不可能という水準の暗号化が施されている。

軍や政府機関でも採用されている業界標準だ。


通信プロトコルはWireGuard・OpenVPN・IKEv2の3種類に対応している。

これらも単語を覚える必要はないが、なかでもWireGuardは、従来のものと比較して速度・セキュリティの両面で優れているとされる最新規格だ。

特に理由がなければWireGuardを選択しておけばよい。


また、SurfsharkのサーバーはすべてRAMオンリーサーバーで運用されている。

RAMとはコンピュータの一時記憶領域であり、電源を切ると保存されていたデータが完全に消去される。

つまり、仮に何者かがサーバーを物理的に押収したとしても、電源を切ればそこには何のデータも残っていない状態になる。


通常のHDDやSSDを使うサーバーとの違いについては、当サイトの「【専門家が解説】VPNのRAMサーバーとは何か。通常サーバーとの違いと選ぶべき理由」で詳しく解説している。

あわせて読みたい
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仕組みを深く理解したい方はあわせて参照してほしい。

独立した専門機関による外部監査の内容

ノーログポリシーの信頼性を担保する上で、第三者監査は最も重要な指標の一つだ。

Surfsharkはこの点において、業界のなかでも高い水準にある。


世界4大監査法人の一つであるDeloitte(デロイト)が、Surfsharkのノーログポリシーについて、2023年と2025年の2度にわたり独立した保証レポートを発行している。

このレポートでは、Surfsharkがユーザーの行動ログを記録していないことが確認されている。

1度きりの監査で終わらず、複数回にわたって継続的に第三者検証を受けている点は、同業他社と比較しても誠実な姿勢と評価できる。


また、Cure53というセキュリティ専門の監査機関は、Surfsharkのサーバーインフラのセキュリティを検証している。

Cure53はNordVPNやProtonVPNなど複数の大手VPNの監査実績を持つ機関であり、その評価の信頼性は高い。


監査はあくまでも「監査時点での状態」を証明するものであり、その後の運用を継続的に保証するものではない点は理解しておく必要がある。

とはいえ、定期的な監査を継続して受け入れている事業者と、監査実績がまったくない事業者では、信頼性に明確な差があると筆者は判断している。

オランダ拠点の法的意味とは。データ保持義務がない国という強み

VPNの安全性を考える上で、見落とされがちだが実は重要な要素が「どの国の法律に従うか」という点だ。


国によっては、通信事業者に対してユーザーのデータを一定期間保持することを法律で義務付けている場合がある。

例えば日本の場合は最低でも3ヶ月程度、ユーザーのアクセスログを保存しておく義務が通信事業者各社にある。

そのような規制のある国に拠点を置くVPN事業者は、たとえノーログポリシーを掲げていたとしても、法的な要請があればデータの提供を余儀なくされる可能性がある。


Surfsharkが拠点を置くオランダは、EU(欧州連合)のGDPR(一般データ保護規則)のもとでユーザーデータの保護が厳格に定められており、強制的なデータ保持義務を課す法律が存在しない。

これはVPN事業者にとって、ノーログポリシーを実践しやすい法的環境といえる。


ここで一点補足しておきたいのが、「5eyes・9eyes・14eyes」と呼ばれる情報共有協定の存在だ。

これは複数の国が情報を相互に共有する枠組みであり、オランダは9eyesの加盟国に含まれる。

つまり、完全な情報隔離という観点ではパナマ(NordVPNの拠点)などと比べると不利な面がある。


ただし、そもそもログが存在しない状態であれば、情報共有協定の影響は限定的だ。

VPN選びにおけるこの観点についての詳細は、「【プロが解説】5eyes・9eyes・14eyesとは。日本は加盟国?VPN選びへの影響を徹底解説」を参照してほしい。


まとめると、Surfsharkの安全性は以下の3点から総合的に判断して、現時点でメジャーなVPNのなかで信頼性が高い水準にあると評価できる。

  • AES-256暗号化・WireGuard対応・RAMオンリーサーバーという技術的な基盤
  • 世界4大監査法人のDeloitteによる複数回のノーログ監査
  • データ保持義務が法的に課されないオランダを拠点とした運営体制


なお、いかに安全性が高くても、VPNを悪用した違法行為は当然ながら論外だ。

Surfshark自身も利用規約で違法目的での使用を明確に禁じており、不正アクセスや著作権侵害といった行為への転用は絶対に許されない。

Surfsharkの主な機能と特徴

Surfsharkの主な機能と特徴は以下の5つだ。

  1. 同時接続台数が無制限
  2. CleanWebで快適なブラウジング
  3. MultiHopとNexusテクノロジーで安全性を強化
  4. Bypasserで一部ソフトを対象外にできる
  5. 一部の国で重要な Camouflageモード / NoBordersモード

専門的なワードが多く、難しく感じるかもしれないが、各単語を覚える必要はない。

1. 同時接続台数が無制限

Surfsharkの機能のなかで、最もインパクトが大きいのが同時接続台数の無制限だ。


主要VPNの同時接続台数を比較すると、NordVPNが10台、ExpressVPNが8台であるのに対し、Surfsharkは上限なしで接続できる。

NordVPNExpressVPNSurfshark
10台8台無制限

イメージとしては、スマートフォン・ノートPC・タブレット・スマートTV・ゲーム機といった自分のデバイスをすべてカバーしつつ、家族のデバイスも同じアカウントで保護できる状態だ。


複数デバイスを持つことが当たり前になった現代において、この仕様は単純に便利というだけでなく、コストパフォーマンスの計算にも直結する。

仮に4人家族で各自2台のデバイスを持つ場合、合計8台を1アカウントで管理できる。

これを他社のVPNで賄おうとすると、複数契約が必要になるケースもある。

2. CleanWebで快適なブラウジング

CleanWebは、広告・トラッカー・ポップアップ・既知の悪意あるサイトへのアクセスをブロックする機能だ。

全プランに標準搭載されており、追加料金は不要だ。


広告ブロック機能自体はブラウザ拡張機能(uBlock Originなど)でも実現できるが、CleanWebはVPNレベル、つまりOS全体の通信に対して機能する点が異なる。

ブラウザ以外のアプリやゲームからの通信に対してもトラッカーをブロックできるため、より広範なプライバシー保護が期待できる。


ただし、広告ブロックの精度という観点では、専用のブラウザ拡張機能と比較すると見劣りする場面もある。

あくまでVPNに付随する補助的な機能として捉えるのが適切だ。

3. MultiHop(Double VPN)とNexusテクノロジーで安全性を強化

MultiHopは、通常1つのVPNサーバーを経由するところを、2つの異なる国のサーバーを経由させる機能だ。

つまり通信が二重に暗号化されるため、プライバシー保護の水準がさらに高まる。


例えば「日本→オランダ→目的地」というルートを通すことで、仮に出口サーバー(オランダ)側で何らかの監視が行われていたとしても、入口(日本)との紐付けが困難になる。

その分通信速度は遅くなるため、通常の用途ではほぼ不要だが、プライバシーを極めて重視する場面では有効な選択肢だ。


SurfsharkはこのMultiHopをさらに発展させた独自技術として「Nexus」を実装している。

Nexusには以下の2つの機能が含まれる。

Dynamic MultiHop

Dynamic MultiHopは、入口と出口のサーバーの組み合わせを自分で自由に設定できる機能だ。

通常のMultiHopでは推奨ペアが提示されるが、Dynamic MultiHopではより細かい制御が可能になる。

つまり、自分の好みの国のサーバーを連結し、カスタマイズしたダブルVPNを作ることが可能というわけだ。

IP Rotator

IP Rotatorは、接続したロケーション内で5分ごとにIPアドレスを自動的に切り替える機能だ。

同じ国・都市に接続し続けながらも、IPアドレスだけが定期的に変わるため、特定のIPアドレスに基づくトラッキングを困難にする。


これらのNexusテクノロジーはSurfshark独自の実装であり、同じグループのNordVPNにも存在しない機能だ。

プライバシー保護の観点では、Surfsharkがグループ内で一歩先を行く領域といえる。

4. Bypasserで一部ソフトを対象外にできる

Bypasserは、VPNを通す通信と通さない通信を個別に選択できる機能だ。

スプリットトンネリングとも呼ばれる。


具体的な使い方の例としては、オンラインバンキングだ。

銀行サービスの一部はVPN経由のアクセスをセキュリティ上の理由でブロックする場合がある。

そのため、銀行のアプリはVPNを通さず通常のIPアドレスで接続し、ブラウザやその他のアプリはVPN経由にする、といった設定が可能だ。

こうした柔軟な設定ができることは実用上の大きなメリットになる。


設定方法はアプリごとの除外と、特定のIPアドレス・サイトごとの除外の2種類に対応している。

5. 一部の国で重要な Camouflageモード / NoBordersモード

CamouflageモードとNoBordersモードは、VPN利用に制限がある環境や、インターネット検閲が厳しい地域に向けた機能だ。

Camouflage Mode

Camouflage Mode(カモフラージュモード)は、VPNを使っていることをISP(インターネットサービスプロバイダ、通信会社)に悟らせないための難読化機能だ。

通常のVPN通信は、パケットの特徴からVPN使用であることが検出される場合がある。

Camouflage Modeはこれを通常のHTTPS通信に見せかけることで、VPN使用の検出を回避する。

Camouflage ModeはSurfsharkの設定画面のプロトコルより、「OpenVPN」を選択するだけで自動で有効になる。

NoBorders Mode

NoBorders Modeは、VPN通信自体が規制されている地域(中国など)での利用を想定した機能で、規制を回避しやすいサーバーへ自動的に接続する。

ただし、中国でのSurfsharkの接続安定性については後述のデメリットセクションで触れる通り、完全な動作保証はない点に注意が必要だ。


以上がSurfsharkの主要機能だ。


まとめると、Surfsharkは一番下のプランでも、VPNとしての基本機能に加えて、このような上位機能が標準で揃っている。

  • 広告ブロック
  • 二重暗号化
  • スプリットトンネリング
  • 難読化

他社の場合、上位プランやオプションなど、追加料金を支払うことにより対応していることはあるが、一番下のプランを含めてこれだけの機能セットを提供しているVPNはSurfsharkの他に多くない。


特にMultiHopやIP Rotatorといったプライバシー強化機能の充実度は、コストと機能のバランスという観点でSurfsharkを選ぶ積極的な理由の一つになる。

【実測】Surfsharkの通信速度

「VPNを使うと通信速度が落ちる。」

これは事実だ。


暗号化・復号の処理と、VPNサーバーを経由する分の物理的な遠回りが発生するため、どのVPNを使っても多かれ少なかれ速度低下は避けられない。

問題は「どの程度の低下に収まるか」であり、それが実用に耐えうる水準かどうかだ。


本セクションでは、筆者が実際に計測したデータをもとにSurfsharkの速度を評価する。

計測環境

計測条件は以下の通りだ。

  • OS:Windows 11
  • 回線:eo光 5Gbpsプラン/有線LAN接続
  • 地域:関西
  • PC側NIC:1,000Mbps上限
  • 計測ツール:Speedtest.net CLI
  • プロトコル:WireGuard
  • 計測日:2026年4月14日 12時〜14時

Speedtest.netの接続先サーバーは「IPA CyberLab 400G」を使用している。


なお、PC側のLAN端子が1,000Mbpsベースであるため、VPN OFF時も理論値の5Gbpsには届かず、下り約901Mbps・上り約929Mbpsが上限となっている。

この点を踏まえた上で以下のデータを参照してほしい。

10Gbpsサーバーの実態

Surfsharkは公式サイトで「全サーバーが10Gbpsに対応」と謳っている。

これは文字通りサーバー側の帯域幅が10Gbpsであることを意味する。

しかし、実際にユーザーが体感する速度はサーバーの混雑状況・接続先のデータセンター事業者・物理的な距離など複数の要因によって変動する点は認識しておきたい。


今回の計測では、Surfsharkの日本(東京)サーバーに接続して速度を測定した。

結果は以下の通りだ。

ホスティング事業者下り
(Mbps)
上り
(Mbps)
レイテンシ
(ms)
Cyberzone608.74899.0713.39
M247 Europe538.26901.4212.62
Cogent Communications786.64900.7312.40
Datacamp659.04902.8412.18
平均648.17901.0212.65

1つのホスティング事業者が複数台のサーバーを管理しているため、同じホスティング事業者でも接続されるサーバーによっては速度が異なる可能性がある。

あくまで参考値として見ていただきたい。


ここで注目してほしいのが「ホスティング事業者」の列だ。

Surfsharkは自社で全世界のサーバーを保有しているわけではなく、世界各地のデータセンター事業者のサーバーを借りて運用している。

同じ「日本(東京)サーバー」への接続であっても、Cyberzone・M247 Europe・Cogent Communications・Datacampといった異なる事業者のサーバーに割り当てられる。

これがSurfsharkに限らず、多くのVPNで速度にばらつきが生じる主因だ。


今回の計測では、最速のCogent Communications(786.64 Mbps)と最遅のM247 Europe(538.26 Mbps)の間に約248Mbpsの差が生じた。

ベースライン(901.25 Mbps)に対する速度維持率は平均で約72%だ。


上り速度については4回すべてで900Mbps前後と安定しており、VPNによる影響がほぼ見られなかった。

下り速度に比べて上りが安定する傾向はWireGuardプロトコルの特性とも一致している。


4回の計測はすべてパケットロス0%で、レイテンシも12〜13ms台と低く安定していた。

パケットロスとは

ネットワークを流れるデータ(パケット)の一部が、通信の混雑や不具合によって目的地に届かず消失してしまう現象。

値が低いほどよい。

レイテンシとは

データが送信元から目的地に届くまでに生じる「遅延時間」のこと。

応答の速さを表す。

値が低いほどよく、目安は10〜20msとされる。

日常的な用途、例えばブラウジング・動画視聴・ビデオ通話などにおいては十分実用に耐える水準と評価できる。


なお、当サイトでは今後も毎月速度を計測し、データを更新していく予定だ。

今回の計測は1日・1環境での結果であり、時間帯・サーバー混雑状況によって結果は変動しうる点はご留意いただきたい。

NordVPNとの速度比較

参考として、同日に同じ環境でNordVPN(プロトコル:NordLynx)の日本(東京)サーバーも計測した。

NordLynxはWireGuardをベースにNordVPNが独自実装したプロトコルだ。

スクロールできます
VPN下り平均
(Mbps)
上り平均
(Mbps)
ベースライン維持率
(下り)
VPN OFF
(ベースライン)
901.25928.77100%
Surfshark
(WireGuard)
648.17901.02約72%
NordVPN
(NordLynx)
792.37902.61約88%

いずれの値も高いほど優れていることを表す。


NordVPNの日本サーバーはGSL Networks・Hydra Communications・PacketHubの3事業者で計測した。

特にHydra Communications(882.97 Mbps)とPacketHub(895.52 Mbps)がベースラインに近い水準を維持した。


結果として、日本サーバーの下り速度はNordVPNがSurfsharkを約144Mbps上回った。

上り速度はほぼ同等だ。


ただし、この差が実際の使用感に直結するかは用途次第だ。

Surfsharkの下りの平均速度である648MbpsはHD動画を何十本同時再生しても余るほどの速度である。

一般的な家庭利用では差を体感できる場面はほぼない。


一方、大容量ファイルの転送を頻繁に行う、あるいは速度にシビアなオンラインゲームをプレイするといった用途では、NordVPNの優位性が活きてくる可能性がある。

海外サーバーの速度

海外サーバーについても計測した。

比較条件を統一するため、すべてIPA CyberLab 400G(東京)を計測サーバーとして使用した結果を掲載する。

スクロールできます
接続先サーバー下り
(Mbps)
上り
(Mbps)
アイドルレイテンシ(ms)パケロス
(%)
韓国・ソウル289.69361.26182.781.7
シンガポール425.26894.86410.240
米国・ロサンゼルス471.21883.52228.280.4
米国・ニューヨーク521.53854.20313.170

物理的な距離が離れるほどレイテンシが上昇するのは自然な挙動だ。


シンガポールで410ms、ロサンゼルスで228ms、ニューヨークで313msというレイテンシは、ブラウジングや動画視聴には影響しない。

しかし、リアルタイム性が求められるオンラインゲームや音声通話では遅延を感じる可能性がある。

下り速度については、韓国を除いていずれのロケーションも400〜520 Mbpsの範囲に収まっており、海外サーバー経由でも動画ストリーミング程度の用途であれば十分な速度が確保されている。


なお、韓国(ソウル)サーバーについては今回の計測でパケットロスが1.7%と高めに出た。

一時的な混雑やルーティングの問題の可能性もあるが、安定性という観点ではやや懸念が残る結果だった。


上り速度が海外サーバー経由でも800〜890 Mbps台を維持している点は注目に値する。

ファイルのアップロードやビデオ会議の送信品質という観点では、海外サーバー経由でも安定した性能が期待できる。


海外のサーバーについても定期的に計測を行い、本ページを更新予定だ。

速度が遅いと感じたときの対処法

実際にSurfsharkを使っていて「遅い」と感じた場合、まず試してほしい対処法を3点挙げる。


1つ目はプロトコルの変更だ。

デフォルトでは自動選択になっているが、WireGuardを明示的に指定することで速度が改善するケースがある。

WireGuardは現時点で最も速度と安全性のバランスが優れたプロトコルと評価されており、特別な理由がなければこれを選択しておきたい。


2つ目はサーバーの再選択だ。

前述の通り、接続のたびに異なるデータセンター事業者のサーバーに割り当てられる。

速度が遅いと感じたら一度切断して再接続するだけで、別の事業者のサーバーに切り替わり速度が改善することがある。


3つ目は接続先サーバーの変更だ。

日本にいる場合は日本サーバーへの接続が最速だが、サーバーが混雑している場合は隣接する韓国や香港のサーバーに変更することで速度が改善するケースもある。

ただし今回の計測では韓国サーバーは不安定な結果だったため、まずはサーバーの再選択を優先することを推奨する。

Surfsharkの対応デバイス

SurfsharkのPC版の接続中の画面
(画像:Surfshark、一部加工)

Windows / Mac / Linux / iOS / Android / ブラウザ拡張

Surfsharkは主要なOSとデバイスに幅広く対応している。

対応環境は以下の通りだ。

プラットフォーム対応状況
Windows専用アプリあり
macOS専用アプリあり
LinuxUbuntu・Debianのみ
(.debファイル提供)
iOS / iPadOSApp Storeよりインストール
AndroidGoogle Play /
公式サイトの.apkファイルもあり
Android TV専用アプリあり
Amazon Fire TV専用アプリあり
Chrome拡張機能ブラウザ単体での利用が可能
Firefox拡張機能ブラウザ単体での利用が可能
Edge拡張機能ブラウザ単体での利用が可能
ルーター手動設定が必要

筆者はWindows・Mac・Ubuntu・iPhone・Android・Chrome拡張機能の6環境で動作を確認している。

いずれも専用アプリの操作は直感的で、接続先のサーバーを選んでボタンを1つ押すだけという手軽さだ。

初めてVPNを使うユーザーでも迷うことはほぼないだろう。


なお、Chromeの拡張機能(恐らくFirefox、Edgeも)はWeb機能に特化しており、VPNに関しては簡易的な機能しかついていない。

例えばVPNがいきなり切断された際に自動的にネットワークの通信を遮断する「キルスイッチ」のような安全機能はなかった。

しっかり活用するなら拡張機能とダウンロード版の併用が必須となる。


Linuxについては、対応ディストリビューションがUbuntuとDebianに限定される点は把握しておく必要がある。

それ以外のディストリビューション(Arch Linuxなど)を使用している場合は、手動でWireGuardなどを設定する必要がある。


ルーターへの設定については、対応ルーターにSurfsharkを手動設定することで、そのルーターに接続しているすべてのデバイスをVPN経由にすることができる。

スマートTVやゲーム機など、専用アプリが存在しないデバイスもまとめて保護できる点が強みだ。

ただし設定には技術的な知識が必要であり、対応ルーターの確認も事前に必要になる。

1アカウントで家族全員のデバイスを保護できる

前述の通り、Surfsharkは同時接続台数が無制限だ。

対応デバイスの幅広さと組み合わせると、この仕様が実際の生活でどれだけ便利かがより具体的にイメージできる。

例えば以下のすべてをたった1契約で保護できる。

  • 自分のWindows PC・MacBook・iPhone・Android端末
  • 家族のiPhone・iPad・Android端末
  • リビングのAndroid TV・Fire TV

他社VPNでは接続台数の上限に引っかかり、デバイスを切り替えながら使う必要があるケースが少なくない。

その手間が一切不要という点は、特に複数デバイスを日常的に使う家庭にとって実用上の大きなメリットだ。


アカウントの共有については個人・家族の範囲での利用を想定したものである。

見知らぬ他人との無制限の共有はサービスの趣旨に反する点は念頭に置いておきたい。

NordVPNとSurfsharkの比較。同じグループでも選び方は異なる。

2022年にNord SecurityとSurfsharkが経営統合したことで、「どちらを選んでも同じではないか」と思うユーザーは少なくない。

しかし実際には、両サービスはサーバーインフラを共有しておらず、料金・機能・速度のいずれの面でも明確な違いがある。

筆者はNordVPNを4年以上使用した上でSurfsharkも検証しており、その経験をもとにフラットに比較する。

料金・機能・速度の三軸比較

両者を料金、機能、速度の三軸で比較してみよう。

料金

Surfshark
Starterプラン
NordVPN
ベーシックプラン
2年プラン
(月額)
298円470円
1年プラン
(月額)
478円700円
1ヶ月プラン2,398円1,810円
同時接続台数無制限10台
返金保証30日間30日間
(2026/04/14時点)

※料金は時期・キャンペーンにより変動する。最新料金は公式サイトを参照のこと。

長期プランではSurfsharkが明確に安い。

2年プランで月額170円以上の差があり、年間換算で約2,040円、2年間では約4,080円以上の差になる。

一方、1ヶ月プランではNordVPNの方が安い。

短期利用ならNordVPN、長期利用ならSurfsharkというコスト構造だ。

機能

機能Surfshark
Starterプラン
NordVPN
ベーシックプラン
ノーログポリシー
(第三者監査済み)
RAMオンリーサーバー
Kill Switch
スプリットトンネリング
(Bypasser)
Double VPN
(MultiHop)
広告ブロック
(CleanWeb)

(プラスプラン以上)
難読化
(カモフラージュ)
IP Rotator
(自動IP変更)
×
Dynamic MultiHop
(自由なサーバーペア設定)
×
Onion over VPN×
専用IP
(有料アドオン)

(有料アドオン)
メッシュネットワーク×

基本的なVPN機能は両者ほぼ互角だ。

差が出るのは独自機能の領域で、SurfsharkはIP RotatorやDynamic MultiHopといったプライバシー強化機能で優位に立つ。

一方NordVPNはTorネットワークと組み合わせるOnion over VPNや、デバイス間の直接通信を可能にするメッシュネットを持つ。

用途によってどちらの独自機能が必要なのかが異なる。

速度(今回の実測値より)

下り平均
(日本サーバー)
上り平均
(日本サーバー)
ベースライン維持率
(下り)
VPN OFF901.25 Mbps928.77 Mbps100%
Surfshark
(WireGuard)
648.17 Mbps901.02 Mbps約72%
NordVPN
(NordLynx)
792.37 Mbps902.61 Mbps約88%
(2026/04/14時点の調査結果)

同日・同環境での計測で、日本サーバーの下り速度はNordVPNがSurfsharkを約144Mbps上回った。

これはNordLynxというNordVPN独自のWireGuard実装の最適化と、PacketHubやHydra Communicationsといった高品質なホスティング事業者の安定性が寄与していると考えられる。


ただし前述の通り、648 Mbpsという数値は一般的な家庭利用で速度不足を感じる水準ではまったくない。

差が体感に直結するのは、大容量ファイルの頻繁な転送や、ラグに敏感なオンラインゲームといった特定の用途に限られるだろう。

「NordVPNとSurfshark、どちらを選ぶべきか」筆者の見解

結論を先に述べる。

  • コストを重視し、複数デバイスをまとめて保護したいならSurfshark。
  • 速度・安定性・ブランドの実績を重視するならNordVPN。


もう少し具体的に整理すると、以下の基準で判断するとよい。

Surfsharkを選ぶべきケース

以下のような場合はSurfsharkが向いている。

  • 家族や複数デバイスでの利用を考えており、接続台数の上限を気にしたくない
  • 長期契約でできるだけ費用を抑えたい
  • IP RotatorやDynamic MultiHopなど、プライバシー強化機能を積極的に使いたい

NordVPNを選ぶべきケース

以下のような場合はNordVPNが向いている。

  • 日本サーバーを中心に使う機会が多く、下り速度の高さを優先したい
  • メッシュネットのようなデバイス間連携機能を活用したい
  • VPNの老舗ブランドとしての知名度・実績を重視する

筆者自身は4年以上NordVPNを使い続けているが、それは「速度・安定性が優れている」という側面が大きい。

(当時はSurfsharkがそれほどメジャーではなかったというのもあるが。)


コストパフォーマンスという観点だけで評価すれば、Surfsharkは現時点でメジャーVPNのなかで最も合理的な選択肢の一つだ。

どちらが絶対的に優れているというわけではなく、自分の使い方と優先事項に応じて選ぶべきサービスが変わる、というのが正直な結論だ。


なお、両者は同じグループ(Nord Security)の傘下にあるが、サーバーインフラは独立しており、片方を解約してもう片方に乗り換えるという選択も自由にできる。

両サービスとも30日間の返金保証があるため、まずは向いていそうな方を試してみて、自分の環境での速度・使い勝手を確認してから判断するのが最も確実だ。

Surfsharkのデメリット・注意点

どのVPNにも弱点はある。

メリットだけを列挙した提灯記事にならないよう、筆者が実際に使用・検証した上で感じたデメリットと、契約前に把握しておくべき注意点を正直に述べる。


基本的に気をつけるべき点は以下の3つだ。

  • 日本語サポートが限定的
  • 中国での接続は不安定な可能性アリ
  • 自動更新時の料金上昇リスク

日本語サポートが限定的

Surfsharkのカスタマーサポートはライブチャットとメールの2種類に対応しており、24時間365日対応している点は評価できる。

しかし、やりとりは基本的に英語になる。

自動的に翻訳が行われるため、日本語でも問題ないが、自然な文章ではない。


また、「よくある質問」や「マニュアル」といったページはすべて日本語に対応しているが、お問い合わせ画面は英語となっている。

Surfsharkのお問い合わせ画面
(出典:Surfshark)


公式サイト・アプリの日本語対応は整っているため、通常の使用範囲では言語の壁を感じる場面は少ない。

問題になるのは、返金手続きや自動更新の停止、接続トラブルの解決といったサポートが必要な場面だ。

英語や機械翻訳の不自然な日本語に抵抗がある場合、こうした手続きのハードルが上がる点は事前に覚悟しておく必要がある。


一方で、NordVPNは日本語サポートに正式対応している。

NordVPNのサポート言語に対するFAQ
(出典:NordVPN)

NordVPNカスタマーサポートはどんな言語を使用していますか?

英語に加え、当社のカスタマーサポートセンターは日本語、韓国語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、オランダ語、スウェーデン語、繁体字中国語、デンマーク語、ノルウェー語、ポーランド後、およびポルトガル語(ブラジル)でご利用いただけます。ライブチャットは英語でご利用いただけます。

(出典:NordVPN カスタマーサービスページ

お問い合わせ画面も日本語で表示される。

NordVPNのお問い合わせ画面
(出典:NordVPN)

より自然な日本語サポートを重視するのであれば、MillenVPNのような国内事業者のVPNサービスを選ぶという選択肢も視野に入れるべきだろう。

中国での接続は不安定な可能性アリ

Surfsharkは前述のNoBorderモードやCamouflageモードといった難読化機能を備えており、インターネット規制が厳しい地域での利用を想定した機能が存在する。

しかし、中国での接続安定性については完全な動作保証はないというのが実態だ。


中国のグレートファイアウォール(GFW)はVPN検出技術を継続的に更新しており、あるタイミングで接続できていたとしても、規制のアップデートによって突然繋がらなくなるケースが報告されている。

これはSurfsharkに限らず、ほぼすべてのVPNサービスに共通する課題だ。


中国への渡航・在住を前提にVPNを選ぶ場合は、現地での最新の接続状況を渡航前に確認すること、また接続できない場合の代替手段も用意しておくことを強く推奨する。

「Surfsharkがあれば中国でも確実に繋がる」という前提で契約するのは危険だ。


なお、万が一接続できなかった場合でも30日間の返金保証がある。

返金保証があるVPNをいくつか契約しておき、利用できなかったものは返金申請・解約するのが一番無難と言える。

自動更新時の料金上昇リスク

料金セクションでも触れたが、改めて強調しておく。

Surfsharkの2年プランは月額298円(Starter)という非常に割安な価格設定だが、この価格は初回契約時のみに適用されるプロモーション価格だ。

契約期間が終了すると自動更新が行われ、更新後は初回の割引が適用されない通常料金での請求となる。

割引率が大きい分、更新後との価格差も大きくなる構造になっている。


自動更新の通知は契約終了30日前にメールで届く。

そのタイミングで以下のいずれかの対応を取るのが賢明だ。

  • 自動更新をオフにしてから、改めて公式サイトで新規契約として申し込む(割引価格が再適用される可能性がある)
  • 意図せず自動更新されてしまった場合は、30日以内にサポートに連絡して返金保証を活用する


なお、自動更新のオフはアカウントページから行える。


以上がSurfsharkの主なデメリットと注意点だ。

まとめると、致命的な欠陥と呼べるものはないが、「英語サポートへの対応力」「自動更新の管理」という2点は、契約前に必ず把握しておくべき事項だ。

中国渡航を前提とする場合は別途最新情報の確認が必須となる。

これらの点を踏まえた上で、後述の「おすすめな人」セクションも参照してほしい。

Surfsharkの会社概要と信頼性

Surfsharkのロゴ

最後にSurfsharkの会社概要と信頼性、VPNを選ぶうえで重要となる「透明性レポート」について解説する。

2018年創業・オランダ拠点

Surfsharkは、2018年に創業されたVPNサービスだ。

運営会社はSurfshark B.V.というオランダの非公開株式会社である。

リトアニアやポーランド、ドイツにも拠点を持ち、現在400名以上の従業員を超える。


2018年の創業という点では、NordVPN(2012年創業)やExpressVPN(2009年創業)と比較すると後発にあたる。

しかしサービス開始からわずか数年で世界的な知名度を獲得し、アプリダウンロード数は4,000万件を突破、30以上の受賞歴を持つまでに成長した。

VPN業界において後発でここまでの規模に達したサービスは珍しく、それ自体がサービスの質を一定程度裏付けていると見ることができる。


VPNサービスの信頼性を評価する上で、運営会社の所在国は重要な要素の一つだ。

安全性セクションでも触れたが、オランダはEUのGDPR(一般データ保護規則)のもとでユーザーデータの保護が厳格に定められている。

また、通信事業者にデータ保持を義務付ける法律が存在しない。

これはノーログポリシーを実践する上で有利な法的環境だ。


一方、オランダが情報共有協定「9eyes」の加盟国である点は把握しておきたい。

ただし、そもそもログが存在しない状態であれば情報共有協定の実質的な影響は限定的だ。

この点については「【プロが解説】5eyes・9eyes・14eyesとは。日本は加盟国?VPN選びへの影響を徹底解説」で詳しく解説している。

2022年にNord Securityと経営統合。ユーザーへの影響は?

2022年2月、SurfsharkはNordVPNの親会社であるNord Securityと経営統合した。

VPN業界における過去最大規模の統合として注目を集めた出来事だ。


この統合に対して「NordVPNに吸収されてしまったのではないか」「サーバーが共有されてプライバシーリスクが生じるのではないか」という懸念を持つユーザーもいるが、実態は異なる。


両社の公式発表および現時点での運営状況を踏まえると、以下の点が確認されている。

  • Surfshark・NordVPNはそれぞれ独立したブランドとして運営を継続している
  • サーバーインフラは両社間で共有されていない
  • 開発・セキュリティ技術に関する知見の共有は行われている。これはむしろサービス品質の向上につながる


イメージとしては、トヨタとレクサスが同じ親会社のもとで別ブランドとして独立運営されているのに近い。

親会社が同じでも、製品・サービスの中身は別物として開発・提供されている状態だ。


この統合によってSurfsharkが得たメリットとして、Nord Securityが持つ資金力・技術力・セキュリティノウハウのバックアップが挙げられる。

特にセキュリティ技術の分野では、単独運営時よりも厚みのある開発体制になったと考えられる。


一方で、両社が同じグループ傘下に入ったことで「VPN業界の寡占化が進んでいる」という見方もある。

有名どころではExpressVPNが2021年にKape Technologyに買収されるなど、VPN業界全体でM&Aが加速していることは事実だ。

こうした業界再編がサービスの独立性・中立性にどう影響するかについては、今後も継続して注視する必要があると筆者は考えている。


ただし現時点においては、統合前後でSurfsharkのサービス品質・ノーログポリシーの運用に変化があったという報告はない。

デロイト社による監査も統合後の2023年・2025年に実施されている。

統合後も第三者監査を継続して受け入れている姿勢は、透明性という観点で評価できる。

【補足】透明性レポートについて

Surfsharkはユーザーのプライバシーをどのように保護しているかを開示する透明性レポートを公表している。

当局からのデータ開示要請に対してどのように対応したかといった情報が含まれており、ノーログポリシーの実態を確認する上での参考資料になる。


記事執筆時点では2026年1月〜3月の情報が公開されているが、実際にユーザー情報の開示に至った事例は0件という。

Surfsharkの透明性レポート
(出典:Surfshark)

最新版は公式サイトから確認できる。

結局Surfsharkは誰が使うべきなのか。

ここまでSurfsharkの料金・安全性・機能・速度・デメリット・会社概要を順に解説してきた。

最後に、各セクションの内容を踏まえた上で「どんな人にSurfsharkが向いているか」を整理する。

Surfsharkをおすすめできる人

Surfsharkが向いているのは以下のような場合だ。

  • 複数デバイスを1契約でまとめて保護したい人
  • 長期契約でコストを抑えたい人
  • 海外在住・海外渡航が多い人
  • 広告・トラッキングをブロックしながらブラウジングしたい人
  • セキュリティに詳しくない家族のデバイスもまとめて守りたい人

複数デバイスを1契約でまとめて保護したい人

Surfsharkを選ぶ最も強い理由はここに集約される。

同時接続台数無制限という仕様は、スマートフォン・PC・タブレットといった個人の複数デバイスはもちろん、家族全員のデバイスを1アカウントでカバーできる。

接続台数を気にせず使えるVPNは、現時点でSurfsharkとPIA(Private Internet Access)程度しか存在せず、メジャーなVPNのなかでは際立った強みだ。

長期契約でコストを抑えたい人

2年プランのStarterで月額298円は、NordVPN・ExpressVPNといった競合と比較して最安値クラスだ。

2年間の総額ベースで比較すると、NordVPNとの差額は4,000円以上になる。

VPNを長期的に使い続けることが前提であれば、Surfsharkのコストパフォーマンスは現時点で業界トップクラスと断言できる。

海外在住・海外渡航が多い人

100カ国以上のサーバーネットワークを活用することで、海外にいながら日本のコンテンツへアクセスしたり、現地のインターネット規制を回避したりといった用途に対応できる。

ただし中国での接続安定性については前述の通り保証がない点は念頭に置いておく必要がある。

広告・トラッキングをブロックしながらブラウジングしたい人

CleanWebによる広告・トラッカーブロックが全プランに標準搭載されている。

VPNとしての機能に加えてOS全体レベルでの広告ブロックを追加料金なしで使えることは、コストパフォーマンスの観点でも評価できる。

セキュリティに詳しくない家族のデバイスもまとめて守りたい人

アプリの操作は非常にシンプルで、接続先を選んでボタンを押すだけだ。

技術的な知識がないユーザーでも迷わず使える設計になっている。

同時接続無制限の仕様と組み合わせると、家族全員のデバイスを一括で保護するという使い方が実現できる。

Surfsharkをおすすめしにくい人

Surfsharkが向いていないケースも明記しておく。

それが以下のような場合だ。

  • 日本語でのサポート対応を重視する人
  • 日本サーバーの下り速度を最優先する人
  • 中国での安定した接続を必要とする人

日本語でのサポート対応を重視する人

解約・返金・トラブル対応はすべて英語か機械翻訳による日本語でのやりとりになる。

英語や不自然な日本語に抵抗がある場合、国内事業者のVPNサービスの方がストレスなく使えるだろう。

日本サーバーの下り速度を最優先する人

今回の実測では、日本サーバーの下り速度はNordVPNが約144Mbps上回った。

タイミングによるものである可能性もあり、一般的な用途では問題にならない差である。

ただし、大容量ファイルの転送やラグに敏感なオンラインゲームを主な用途とする場合はNordVPNの方が適している。

中国での安定した接続を必要とする人

NoBorderモードやCamouflagモードは存在するものの、中国での接続安定性は保証されていない。

中国渡航・在住を前提とするなら、現地での最新接続情報を必ず事前に確認してほしい。

総評

本記事を通じて伝えたかった結論をあらためて一言でまとめると、「Surfsharkは、コストパフォーマンスと複数デバイス対応という2点において、現時点でメジャーVPNのなかで最も合理的な選択肢の一つ」ということだ。


安全性・機能・速度のいずれも及第点以上であり、致命的な欠陥はない。

デメリットとして挙げた英語または不自然な日本語のサポート、自動更新の仕組みさえ事前に把握しておけば対処できるレベルのものだ。


VPN選びに正解はなく、自分の使い方と優先事項に応じて最適なサービスは変わる。

ただ「とりあえず信頼性の高いVPNを、できるだけ安く、複数デバイスで使いたい」という条件であれば、Surfsharkはその答えに非常に近いサービスだと筆者は評価している。


まずは30日間の返金保証を活用して、自分の環境での速度・使い勝手を確認してみることを推奨する。

参考文献

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この記事を書いた人

べるどらのアバター べるどら 合同会社Now Topic / 合同会社Veemlet 代表社員、CyberProgress 運営責任者

CyberProgressの運営責任者。合同会社Now Topic・合同会社Veemlet 代表社員。2020年からWebメディアの運営を開始し、現在は約10サイトを手掛ける。Webアプリやスマホアプリの開発も行う。サーバーの解説を行うYouTubeチャンネルの総再生回数は6万回を突破。ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、情報処理安全確保支援士試験に合格。

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